医療事務あれこれ

医療事務についてのあれやこれやを書いていきます!

関節穿刺と関節注射を同じ部位に同時に実施した場合(外来管理加算との組み合わせ)

J116 関節穿刺G010 関節腔内注射を同じ部位に同時に実施する場合がありますよね。

膝の関節液を抜いて、そのまま同じ所にヒアルロン酸を注射する時などです。

そういった場合にどのように算定すれば良いでしょうか?

 

 

まず関節穿刺と 関節腔内注射は同時に算定できない

J116 関節穿刺の通知に以下の様にあります。

関節穿刺を左右両側に行った場合は、それぞれ算定できるが、同一側の関節に対して、区分番号「D405」関節穿刺、区分番号「G010」関節腔内注射を同一日に行った場合は、主たるもののみ算定する

 

ここから同じ部位に同時(同一日)に実施した場合は「主たるもののみ」算定できることが分かります。

主たるものとは、点数の高い方ということです。

関節穿刺 関節腔内注射だと、点数の高い方をどちらか一つしか算定できないということになります。

  

 

では関節穿刺と 関節腔内注射の点数は?

・J116 関節穿刺100点

・G010 関節腔内注射80点

です。

100点80点だからJ116 関節穿刺で算定すれば良いのかと言うと、実は必ずしもそうとは限らないんです!

 

 

外来管理加算が算定できるかどうかが判断基準

ここからが今回のポイントです!

外来再診料の加算点数である外来管理加算が算定できる場合、大抵は関節腔内注射で算定した方が点数が高くなるんです。

これは、外来管理加算の点数が52点である事と、外来管理加算処置の関節穿刺とは同時に算定できないルールから導かれます。

 

 

具体的な計算式

(1)1か所にJ116 関節穿刺G010 関節腔内注射同時に実施した場合

関節腔内注射外来管理加算

80点+52点=132点

関節穿刺外来管理加算処置の関節穿刺とは同時に算定できない

100点

①>②となるので①で算定となります。

 

(2)2か所にそれぞれJ116 関節穿刺G010 関節腔内注射同時に実施した場合

関節腔内注射外来管理加算

80点×2+52点=212点

関節穿刺外来管理加算処置の関節穿刺とは同時に算定できない

100点×2=200点

 ①>②となるので①で算定となります。

 

(3)3か所以上の関節に対して関節穿刺 関節腔内注射同時に実施した場合、外来管理加算が算定できたとしても関節穿刺で算定した方が点数が高くなります。

しかし、そういった事はあまりないように思います。

 

念のため3か所でも計算してみます。

 

関節腔内注射外来管理加算

80点×3+52点=292点

関節穿刺外来管理加算処置の関節穿刺とは同時に算定できない

100点×3=300点

②>①となるので②で算定となります。

 

 

 使用薬剤の算定

関節穿刺 関節腔内注射のどちらで算定しても、ヒアルロン酸などの薬剤料については別に算定できます

うちでは関節穿刺で算定する時は処置薬剤として、関節腔内注射で算定する時は注射薬剤としてレセプトに記載しています。

 

 

まとめ

・J116 関節穿刺G010 関節腔内注射を同じ部位に同時に実施する際、外来管理加算が算定できるなら関節腔内注射で算定した方がほとんどの場合で点数が高くなる。

・入院や初診は外来管理加算が算定できないので、必ず関節穿刺で算定。

・外来の再診の場合に、どちらが点数が高くなるかを外来管理加算を含めて考慮する。

『リハビリテーション総合計画評価料』は総合実施計画書を作成した時点で算定できる?

平成30年度診療報酬改定について平成30年3月30日付で第1回目の疑義解釈が出ましたね!

http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=543940&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000202132.pdf

この中でH003-2リハビリテーション総合計画評価料についての疑義解釈が気になったので紹介します。

 

 

1. H003-2リハビリテーション総合計画評価料についての疑義解釈

問 173 リハビリテーション総合計画評価料は、多職種が共同してリハビリテーション総合実施計画を作成し、これに基づいて行ったリハビリテーションの効果、実施方法等について共同して評価を行った場合に算定できるとされている。また、がん患者リハビリテーション認知症患者リハビリテーションを行う際にこれを算定することとされているが、疾患別リハビリテーション開始時であって、リハビリテーションの効果や実施方法について共同して評価を行っていない段階であっても算定できるのか。


(答)リハビリテーション総合計画評価料は、リハビリテーション総合実施計画に基づいて行ったリハビリテーションの効果、実施方法等について共同して評価を行った時点で算定が可能となる。ただし、がん患者リハビリテーション及び認知症患者リハビリテーションについては、評価実施前であっても、多職種が共同して総合実施計画を作成した時点で算定できる。

 

 がん患者リハビリテーション及び認知症患者リハビリテーションについては、初めて総合実施計画書を作成した時点で算定できるということですよね。

一方、疾患別リハビリテーションでは「リハビリテーション総合実施計画に基づいて行ったリハビリテーションの効果、実施方法等について共同して評価を行った時点で算定が可能」となります。

 

※疾患別リハビリテーション・・・心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料、呼吸器リハビリテーション料のことです。

 

 当院でリハビリテーション総合計画評価料の算定日はいつになるのか、意見が分かれたことがあります。

運動器リハビリテーションについて、総合実施計画書を作成した時点でリハビリテーション総合計画評価料算定できるのではないか?という意見が出たのです。

計画書の作成料として算定できるのではないか?という考え方です。

 

しかし、この考え方は間違いであることが今回の疑義解釈で分かります。

 

 

2.疾患別リハビリテーションリハビリテーション総合計画評価料を算定する流れ

①多職種が共同してリハビリテーション総合実施計画書を作成

②作成したリハビリテーション総合実施計画書に基づいてリハビリを実施

③実施したリハビリテーションの効果、実施方法等について共同して評価を行う

 

この③の評価を行った時点で算定できるということになります。

 

 

3.リハビリテーション総合計画評価料の算定についてまとめ

(1)がん患者リハビリテーション及び認知症患者リハビリテーションについては、リハビリテーション総合実施計画書を作成した時点で算定できる。

 

(2)疾患別リハビリテーションについては、リハビリテーション総合実施計画書に基づいて行ったリハビリテーションの効果、実施方法等について共同して評価を行った時点で算定できる。

【平成30年度診療報酬改定】中医協の「これまでの議論の整理(案)について」

 中央社会保険医療協議会中医協)において平成30年度診療報酬改定についての議論が進められています。

この中医協による「これまでの議論の整理(案)について」が2018年1月12日付けで公開されました。

www.mhlw.go.jp

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000190887.pdf

(2018年1月12日 これまでの議論の整理(案)について)

 

「これまでの議論の整理(案)について」の中から個人的に気になるところを抜粋します。

※最終的な答申ではないので、今後、変更される可能性があります。ご注意をお願いします。

 

 

Ⅰ-3 医療機能や患者の状態に応じた入院医療の評価

(1)  ① 一般病棟入院基本料(7対1、10 対1、13 対1及び 15 対1)について基本部分実績部分を組み合わせた評価体系に再編・統合し、新たに、急性期一般入院料(仮称)、地域一般入院料(仮称)とする。

 実績部分の内容によってはこれまでと同じことをしていても、算定できる入院基本料の点数が変わる可能性があります。

病院経営にも大きな影響がありそうです。

 

(13) 10 対 1 入院基本料を算定する全ての医療機関や、一部の回復期リハビリテーション病棟入院料や療養病棟入院基本料を算定する医療機関についても、データ提出加算の算定を入院料の要件とする。

今回から全ての 10 対 1 入院基本料と一部の回復期リハビリテーション病棟入院料や療養病棟入院基本料でもデータ提出加算が要件化されそうです。

何となくなんですが、今後も対象は増えていって、いずれはほとんどの医療機関データ提出が義務になりそうな気がします。

 

(20) 看護補助者の配置に係る加算を算定する場合は、定期的に看護職員及び看護補助者の業務内容を見直すとともに、身体的拘束等の行動制限を減らす取組の実施を求める。
(21) 看護補助者の配置に係る加算を算定する場合は、看護補助者への院内研修の実施を求める。

看護補助加算等の点数を算定するためには、「定期的に看護職員及び看護補助者の業務内容を見直す」、身体的拘束等の行動制限を減らす取組」や「看護補助者への院内研修の実施」が要件となってきそうです。

 

 

 Ⅲ-2 業務の効率化・合理化

① 入院基本料等に係る診療録への記載項目や様式等を見直す。
医療機関介護保険リハビリテーション事業所で、リハビリテーション実施計画書を共有化できるよう、様式を見直す。(Ⅰ-7(5)再掲)

うちはまだいくつか手書きの様式を購入しているので、在庫管理に注意が必要です!

 

③ 診療報酬明細書(レセプト)について、添付資料の見直しや算定理由等の摘要欄への記載事項を選択肢とする等の対応を行う。

レセプトに毎回同じようなコメントを記入するものがあるので、そういったものが簡略化されるとありがたいです。

 

 

Ⅳ-2 後発医薬品の使用促進

(2) 医療機関における後発医薬品使用体制加算及び外来後発医薬品使用体制加算について、新たな政府目標を踏まえ、評価を見直す。

政府は後発医薬品のシェアをさらに増やしたいようなので、現行を上回る基準が求められそうです。

 

 

 最後に

診療報酬改定に伴う業務は医療事務にとって毎回大変な負担になりますが、これからの動向を注視して備えていけばきっと上手くいくはずです!

頑張りましょうねー。

労災の四肢加算 橈骨・尺骨の遠位端部分に行われた骨折手術は2.0倍?1.5倍?

 

労災保険では手(手関節以下)に第2款 筋骨格系・四肢・体幹の手術を行った場合、健保点数の2.0倍で算定できます。(手以外の四肢は1.5倍

では、橈骨尺骨の遠位端部分に行われた骨折手術は2.0倍1.5倍のどちらでの算定になるでしょうか。

 

 

手関節とは?

手関節(しゅかんせつ)は、手首にある関節。橈骨尺骨、8つの手根骨を含めた10個の骨で構成されており、橈骨手根関節、手根中央関節、下橈尺関節で構成される複関節といわれる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%89%8B%E9%96%A2%E7%AF%80

f:id:iryoujimuarekore:20171216205740j:plain

手関節は前腕(橈骨尺骨)と手(手根骨)から出来ていて、前腕(橈骨尺骨)の遠位端部分も手関節といえるようです。

それでは、前腕(橈骨尺骨)の遠位端部分に行われた骨折手術は2.0倍で算定できるのか、というと実は違うんです。

 

 

「医療関係質疑応答集」の12 手術料より

Q16 手(手関節以下)の手術について健保点数の2倍で算定することができるが、手関節から橈・尺骨の遠位端部分に行われた骨折手術に関しては、どのように判断するのか。


A.橈骨尺骨の遠位端骨折については、手関節(手根部)の中に骨折が及んでいるかどうかで判断するものである。

https://healthnet.jp/wp-content/uploads/2016/10/4d88cf15bffdb285c0aafbd8fba2b7b3.pdf

(52ページ)

http://www.joshrc.org/~open/files2015/20150715-001.pdf

(52ページ)

上記を読むと、労災保険において2.0倍で算定できる手関節とは手根骨のことであって、橈骨・尺骨の遠位端部分は含まれないということですよね。

というわけで、手根部に骨折が及ばない橈・尺骨の遠位端部分に行われた骨折手術に関しては、2.0倍で算定することはできません。ただし、1.5倍での算定はできます。

労災で入院中に他医療機関を受診した場合の算定ルール

健康保険では入院中に他院を受診すると、入院基本料が減算されたり他院での算定に制限がありますよね。

しかし、労災保険ではこのルールが適用されないんです。

 

 

「医療関係質疑応答集」の13 入院基本料より

Q12 入院中の患者の他医療機関への受診に係る健康保険の取扱いとして、入院している患者が他の保険医療機関で治療を受けた場合には、入院医療機関の入院料等の基本点数を10%、20%又は40%を控除した点数により算定することとなっているが、労災保険において、この取扱いは適用されるのか。


A.労災保険においては、入院中の被災労働者の治療に関して、他医療機関での診療が必要となり、当該入院中の被災労働者が他医療機関を受診した場合(当該入院医療機関にて診療を行うことができない専門的な診療が必要となった場合等のやむを得ない場合に限る。)は、健康保険の取扱いによらず、入院医療機関は入院料の基本点数を控除せず全額算定できる。なお、この場合において、医療機関は当該診療に係る費用(「医学管理等」、「投薬」、「注射」等)を健康保険の取扱いによらず全額算定できる。

https://healthnet.jp/wp-content/uploads/2016/10/4d88cf15bffdb285c0aafbd8fba2b7b3.pdf

 (68ページ)

 

このように、入院医療機関では入院基本料を減算する必要がなく入院基本料の全額算定が可能で、他医療機関でも診療の算定に制限がなく実施した診療の全額算定が可能となっています。

 

 

入院医療機関と他医療機関 両方の立場から思うこと

入院医療機関の立場からすると入院基本料の減算がないので、健康保険の場合と違って収入が減らないのが嬉しいですよね。

 

そして他医療機関の立場からすると、外来での計算が簡単になるのが有難いです。外来で算定できるものと算定できないものとの確認は結構面倒なんです。その上、算定できないものを実施せざるを得ない場合は、相手方の入院医療機関との協議も必要になってきて大変です。

 

 

患者さんにとっては

入院中の他医療機関受診にデメリットがあると、受診や診療を控えることにつながりかねません。

必要な時にデメリットの心配なく他医療機関を受診してもらうことができる労災保険のこのルールの方が、患者さんにとってもメリットがあると思います。

 

※ちなみに、自賠責保険診療費算定基準(新基準)は労災準拠なので、新基準の方でも同じこのルールが適用されます。(減算等は不要です)

定数超過入院(オーバーベッド)は「3か月を超えない期間の1割以内の一時的な変動」についての猶予ルールが適用されません。

定数超過入院(オーバーベッド)について勘違いをしていました。

平均在院日数や月平均夜勤時間数と同じように、「3か月を超えない期間の1割以内の一時的な変動」なら猶予されると思っていたんです。

頭の中でごっちゃになっていたので整理したいと思います。

 

1.そもそも定数超過入院(オーバーベッド)とは?

1月間(暦月)の平均入院患者数が、病院では許可病床数の105%以上(有床診療所では許可病床数に3を加えた数以上)になることを定数超過入院(オーバーベッド)と言います。

定数超過入院(オーバーベッド)に該当すると入院基本料の減算等のペナルティがあります。

平均入院患者数は平均入院患者数=在院患者延数÷月の日数で計算します。

 

2.定数超過入院に該当する場合のペナルティ

(1)入院基本料の減算

・入院基本料の所定点数の100分の90(又は100分の80)に相当する点数になります。

(2)入院基本料等の届出を受理してもらえない。

・入院基本料・特定入院料・入院時食事療養(Ⅰ)・入院時生活療養(Ⅰ)の届出を受理してもらえなくなります。

(3)特定入院料を算定できない。

・特定入院料の基準を満たせなくなるので、変更等の届出が必要になります。

 

3.許されるのは5パーセント未満のオーバーまで。また、定数超過入院となった翌月からペナルティが課せられる

今回はこれをいちばん言いたかったんです。

入院患者のオーバーが許されるのは許可病床数の1割までではありません。許可病床数の105%以上のオーバーでアウトです。

また、猶予期間はありません。定数超過入院に該当した月の翌月から、いきなりペナルティが課せられます。

 

 

許可病床数の1割以内のオーバーならOKと勘違いしたままだったら、大変なことになっていました。

危ない!

 

※この記事は医学通信社「診療点数早見表 2016年4月版」1309・1310・1311ページを参照して書きました。

血液型検査〈ABO型、Rh(D)型〉が減点査定

術前検査として実施していた血液型検査〈ABO血液型とRh(D)血液型〉が減点になりました。

D011の1に区分されるABO血液型検査とRh(D)血液型検査はそれぞれ21点なので、合計で42点の減点です。

減点理由は過去にも当院で同じ患者に同じ血液型検査を実施していたからです。

 

血液型が変わることはほぼないですから、2回以上実施したら減点されるのは当然ですよね。

確認が足りませんでした。

 

しかし、今回減点された検査は平成29年9月に実施していて、前回は平成28年3月に実施していたので、1年半以上もさかのぼってチェックされていたわけです。

恐るべし。