救急医療管理加算は平日の昼間に算定できる?
救急医療管理加算は平日の昼間に入院した場合も算定できるのでしょうか?
私はずっと夜間か休日でないと算定できないと勘違いしてました。
でも、平日の昼間でも算定できるんです!
なぜかというと、「夜間又は休日において入院治療を必要とする重症患者に対して救急医療を提供した日(午前0時から午後 12 時まで)」である24時間が対象になるからです。
どういうことか、救急医療管理加算の算定要件を見ていきましょう。
1.救急医療管理加算の注1
注1 救急医療管理加算は、地域における救急医療体制の計画的な整備のため、入院可能な診療応需の態勢を確保する保険医療機関であって、(略)当該態勢を確保している日に救急医療を受け、緊急に入院を必要とする重症患者として入院した患者(略)について、(略)入院した日から起算して7日を限度として所定点数に加算する。
上記の通り算定について「当該態勢を確保している日」とだけ定められています。
時間帯や休日かどうかについては定められていません。
では、「当該態勢を確保している日」は具体的にはどういう日でしょうか?
通知(7) を見ていきます。
2.救急医療管理加算の通知(7)
(7) 加算の起算日となる入院日については、夜間又は休日において入院治療を必要とする重症患者に対して救急医療を提供した日(午前0時から午後 12 時まで)(略)また、午前0時をまたいで夜間救急医療を提供する場合においては、夜間の救急医療を行った前後2日間とする。(略)
まず、上記の前半を見ていきます。
「夜間又は休日において入院治療を必要とする重症患者に対して救急医療を提供した日(午前0時から午後 12 時まで)」と定められています。
この「午前0時から午後 12 時まで」とは24時間ということですよね。
したがって該当日であれば"昼間"も対象になります!
例えば、平日の"夜間"に入院する患者へ救急医療を提供したとします。
その日は「夜間又は休日において入院治療を必要とする重症患者に対して救急医療を提供した日」となります。
当然、その"夜間"の入院は救急医療管理加算の対象になります。
しかし、もし、その日の"昼間"に入院する患者にも救急医療を提供していた場合は、その"昼間"の入院も遡って救急医療管理加算の対象になります。
(7) 加算の起算日となる入院日については、夜間又は休日において入院治療を必要とする重症患者に対して救急医療を提供した日(午前0時から午後 12 時まで)(略)また、午前0時をまたいで夜間救急医療を提供する場合においては、夜間の救急医療を行った前後2日間とする。
次に、上記の後半を見ていきます。
「午前0時をまたいで夜間救急医療を提供する場合においては、夜間の救急医療を行った前後2日間とする。」とありますよね。
つまり、救急医療を行った2日間(48時間)が対象になります。
例えば、翌日が平日である休日に、入院する患者へ救急医療を提供したとします。
その際に、その休日から翌日の平日まで、日をまたいで救急医療を提供したとします。そうすると、その休日と翌日の平日まで48時間が救急医療管理加算の対象となります。
この場合も平日の昼間の入院が救急医療管理加算の対象となります。
3. いつから平日の昼間も対象となったのか?
いつから救急医療管理加算は平日の昼間も対象とするようになったのでしょうか。
平成18年度・診療報酬改定の厚労省の資料を見ていきます。
平成18年度診療報酬改定の概要について <23ページ>
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/02/dl/s0215-3u.pdf
救急医療管理加算について、算定できる時間帯を夜間又は休日以外にも拡大する(略)
疑義解釈資料の送付について(その3) <3ページ>
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/03/dl/tp0314-1c03.pdf
(問7)救急医療管理加算・乳幼児救急医療管理加算の「加算の対象となる時間」の要件がなくなったが、他の要件を満たし、起算日内であれば、何時でも算定できるということか。
(答)その通り。
というわけで、10年以上前の平成18年度から平日の昼間でも算定できるようになったようです。
(当院でも遡ると算定漏れがあったと思われます・・・)
4.まとめ
救急医療管理加算は平日の昼間に入院した場合も対象となる。
それは、起算日が「夜間又は休日において入院治療を必要とする重症患者に対して救急医療を提供した日(午前0時から午後 12 時まで)」と定められており、該当日の24時間が対象となるため。
また、「午前0時をまたいで夜間救急医療を提供する場合においては、夜間の救急医療を行った前後2日間とする。」と定められており、その場合は48時間が対象となる。
追記
夜間・休日に救急医療を提供すると、なぜ、昼間にも算定できるようになるのか?
少し考えてみました。
夜間・休日(診療時間外)の救急患者数が少ない小規模の医療機関にとって、算定が夜間・休日に限定されると、夜間・休日(診療時間外)の受け入れ態勢が赤字になる可能性があるからかなと思いました。
小規模の医療機関にも夜間・休日に救急患者を受け入れて欲しいから、実際に受け入れた日は昼間(診療時間内)も算定できるようにしたのかなと思いました。